送配電分離省令改正に向けた「行為規制」建議案を聴く

〜沖縄電力及び送電事業者(電源開発)の取り扱いも確認〜

2018.6.25
  2018年6月25日(月)、電気・ガス取引監視等委員会から、2020年4月からの送配電法的分離に向けた行為規制の経済産業省令改正に関する建議(案)について、電力総連の萩原亮一・産業政策局長陪席のもと、報告を受けました。
建議の取りまとめは、2017年3月から11回にわたり電気・ガス取引監視等委員会の制度設計専門会合で審議され、送配電法的分離のフォローとしてその都度報告を受け、意見交換をし、ホームページ等で報告をしてまいりました。
送配電分離が円滑に行われ、電力の安定供給が維持されることを願っております。

 なお、人事交流規制は、電力システム改革審議における答弁や、衆議院内閣法制局の見解等から、憲法の「職業選択の自由」を侵害する恐れがあり、法制化が見送られた経過があります。電力システム改革の審議で、「法令以外の手法をもって、これを超えた規制を行うことは適用ではないと考えている」との内閣法制局の答弁があった経過を踏まえ、今後も人事交流は役員も従業者も国に規制されるものではなく、企業での自主規制とすべきと申し上げました。今後これに関連する検討が行われる場合には、改めて関係委員会等で審議する旨の回答がありました。


【行為規制(抜粋)】
1. 情報の適正な管理のための体制整備等
・建物を発電・小売電気事業者等と共用する場合には、別フロアにするなど、物理的謝絶を担保し、入出制限を行うこと
・情報システムを発電・小売電気事業者等と共用する場合には、アクセス制限、アクセス者の識別等の措置を講ずること

2. 社名、商標、広告、宣伝等に関する規律
・社名は、一般送配電事業者が社名の一部にグループ名称(旧一般電気事業者名等)を使用することについては、その社名の中に一般送配電事業者であることを示す文言を入れる場合のみ許容されることとするのが適当である
・ 商標については、需要家が立ち入らない施設内であり外部から見えない場所にある看板、マンホール等における目立たない刻印、電柱に埋め込まれたサイズの小さい番号札、標示板などは許容されることとする
・広告、宣伝等については、一般送配電事業者が、グループ内の発電・小売電気事業者を有利にする広告、宣伝等を行うことは、適正な競争関係を阻害する行為にあたるものであり、禁止する

3. 業務の受委託等に関する規律
・(送配電→発電・小売電気等)一般送配電事業者のみが知り得る非公開情報(発電・小売電気事業に参考になるもの)を扱う業務に該当しない委託業務は例外とする
・(発電・小売電気→送配電)一般送配電事業者のみが知り得る情報や一般送配電事業の人的・物的資源を不当に活用して、あるいは、関連する送配電業務の実施を変更・調整するなどして受託した業務の成果を高めることができる業務に該当しない委託業務は例外とする

4. グループ内での取引に関する規律
・対象となる取引は多種多様であり、整理が必要なケースが出てきた際に、あらためて議論する

5. 兼職(取締役等及び従業者)に関する規律
(取締役等)
・取締役等の兼職禁止の例外は、一般送配電事業者のポストにおいて、発電・小売電気に参考になり得る非公開情報を知り得ず、一般送配電事業の個別的な業務(発電・小売電気の事業に影響を与えることが可能なもの)に関与できないことが確保されている場合
・発電・小売電気事業者等のポストにおいて、発電・小売電気の事業の意思決定に関与できないことが確保されている場合
(兼職禁止の対象者となる従業者の範囲)
・一般送配電事業者において、発電・小売電気に参考になり得る非公開情報を知り得る業務に従事する従業者、及び一般送配電事業の個別的な業務(発電・小売電気の事業に影響を与えることが可能なもの)に関与できる業務に従事する従業者
・発電・小売電気事業者等の業務運営において重要な役割を担う従業者。発電・小売電気事業者等において、発電・小売電気の事業の意思決定に関与できる業務に従事する従業者

【沖縄電力(株)の扱い】
・本土から独立した単独かつ小規模な電力系統等という特殊性を有しており、自然災害時に送配電と発電・小売が一体となって対応しているなどの実情を考慮すると、送配電部門を別会社化しないことが沖縄地域の安定供給や電気の使用者の利益の確保になる

【送配電事業者の扱い:電源開発(株)及び北海道北部風力送電(株)】
・送電事業者にかかる行為規制の詳細(省令)については、一般送配電事業者と同様な内容とするが、省令の具体的な運用においては、送電事業者が有する非公開情報や業務の内容を踏まえて判断されるため、個別の判断は一般送配電事業者と異なる場合がある。

【今後の動き】
・経済産業大臣に建議(6/18)→省令の準備→パブリックコメント(8月予定)→省令交付(10月ごろ)
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