厚労委・受動喫煙防止対策法案。「幼児、児童生徒等を
受動喫煙による健康への悪影響から守る取り組み」等を質す

〜「紙巻きたばこ」と「加熱式たばこ」による受動喫煙の健康影響を聞く〜

2018.7.5
 2018年7月5日(木)厚生労働委員会が開催され、内閣提出の「健康増進法の一部を改正する法律案」(略:受動喫煙防止法案)について、加藤勝信・厚生労働大臣他と質疑を交わしました。

【たばこの認識】
Q. 受動喫煙の定義について
厚労省:「受動喫煙を人が他人の喫煙によりたばこから発生した煙にさらされること」

Q.「紙巻たばこ」「加熱式たばこ」による受動喫煙による健康影響について
厚労省:「紙巻きたばこについて、肺がんのリスクが1.28倍、脳卒中が1.29倍、子供では乳幼児突然死症候群が4.67倍。加熱式たばこは現時点での科学的知見では将来的な健康影響を予測することは困難」の旨の答弁

Q.喫煙室の技術的基準について、健康影響が明らかでない加熱式たばこ専用喫煙室は緩和されるのか
大臣:「紙巻きたばこと全く同様な規制を行うことはないが、専門家に議論をしてもらう」旨の答弁

Q.無害なたばこの研究・開発の取り組みについて
厚労省:「JTでは葉たばこの燃焼を伴わない製品の開発に取り組んでいる。今後も各たばこ会社で様々な研究に取り組むと承知している」旨の答弁

【雇用対策や生活維持】
Q.たばこの規制強化により、たばこ関連産業で働く労働者の雇用や葉たばこ農家、小売販売店などの生活に与える影響と雇用や生活維持対策について
大臣:「今法案は受動喫煙を防止するのが目的で禁煙を促進する法案ではないが、たばこの消費量が減る中で、雇用は厚労省、葉タバコ農家や小売店はそれぞれ所管省庁と連携をと取って対応していく必要はある」旨の答弁

Q.平成30年10月より、たばこ税の税率を段階的に引き上げることが決定している。たばこ税については一定の財源確保の役割を果たすが、たばこ規制と財源確保についての所見
大臣:「私どもは毎年度たばこ増税の税制改正を要望してきた。その基本的姿勢は、喫煙者の健康増進の観点から、たばこの消費を抑制する目的を持って要望している」旨の答弁

【喫煙専用室と加熱式たばこ専用喫煙室の技術的基準の検討】
Q. 「紙巻たばこ喫煙専用室」と「加熱式たばこ専用喫煙室」の技術的基準については、法成立後、検討委員会を設置して省令を検討することになるのか
厚労省:「省令で定める。平成32年4月の施行前に十分な準備期間が取れるよう早期に省令の内容を示していきたい」旨の答弁

Q.喫煙室の設置による設備改修等に対する政府の財政支援は
大臣:「中小企業に対し費用の1/2、飲食店では1/3、最大100万円まで」旨の答弁

Q.厚生労働省令の検討の委員会構成について
厚労省:「法案成立後、厚生科学審議会の下にある委員会で議論する。現在のメンバーは生活環境工学や労働衛生工学、健康科学、疫学、環境リスク科学の専門家である」旨の答弁

【子どもの受動喫煙防止】
Q.文部科学省が行った平成29年度学校における受動喫煙防止対策実施状況調査結果について
文科省:「何らかの受動喫煙防止対策を講じている学校の割合は99.6%。そのうち敷地内全面禁煙措置は90.4%」旨の答弁

Q.平成24年の調査との比較について
文科省:「学校敷地内の全面禁煙措置は82.6%から90.4% と約8ポイント増加している」と答弁

Q.更に幼稚園等の受動喫煙防止対策が完全に講じられていない要因は何か
文科省:「90.4%には対策を講じなくても敷地内で喫煙する者がいないので対策を講じていない等の回答も含まれているが、引き続き受動喫煙防止対策を一層推進していく」旨の答弁

Q.学校敷地内の全面禁煙措置を100%にする大臣の決意は
大臣:「特別な場合を除いては敷地内の禁煙がしっかり進むよう取り組む」旨の答弁
特に小さい子どものいる場所の受動喫煙防止対策は重要であり早急の取り組みを訴えた

【飲食提供施設】
Q.法施行後、既存特定飲食提供施設の受動喫煙防止措置の実態調査と、既存と新設の飲食店施設の判断基準は国が示すのか
厚労省:「定期的に状況を把握し、5年経過後の検討に活用していく。飲食店が既存か新設かどちらに該当するかは、法施行時までに詳細な事例を示す」旨の答弁

【抗菌薬の使い過ぎと耐性菌の関係】
Q.健康増進として1点質問。「7/1のNHKニュースで『かぜに効かない抗菌薬6割超の医師が処方箋』と報じられ、その中で、耐性菌が増え、何も対策が取られなければ2050年には世界で年間1.000万人が死亡すると言われた。この報道は事実か。事実であれば、どう対策を講じていくのか」
厚労省:「日本化学療法学会と日本感染症学会が医師にアンケート調査したものをベースにしたもので、抗菌薬処方の希望があった場合に6割超の医師が処方するというもの。抗菌薬の使い過ぎは抗微生物薬が効かなくなる薬剤耐性を引き起こす。2050年には世界で年間1.000万人が死亡するという指摘もあり国際的に重要な問題。患者に適切な情報を提供し、意識を変えていただく普及啓発をしていく」旨の答弁
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